日本建築設計学会(ADAN)主催のヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展2016帰国展に「南阿佐ヶ谷/おおきい小さな家」を出展した。
 
ヴェベチア・ビエンナーレがイタリアの古い建物の1室で行われたのに対し、今回はビルの展示スペース内であり、自由度が高く、よりのびのびとした展示として実現した。
 
以下は日本建築設計学会によるテキストである。
「2016年に半年間にわたって開催されたヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の会期が昨年11月に終了しました。本展では、その帰国展として、ヴェネチアでの展示を再構成して展示します。
展示されるのは、30代~50代の10組の建築家が設計した10の住宅作品です。それぞれが、日立(茨城)、東京、津島(愛知)、彦根(滋賀)、京都、大阪、津山(岡山)、鹿児島、那覇(沖縄)など全国各地に過去5年のうちに建てられ、すでにある程度住まれている住宅です。そのどれもが、敷地や周辺環境をはじめ、建主ごとに異なる生活像、そして建築家の設計思想が強く反映された、個性的な作品ばかりです。
本展は、それらを共通するユニークな視点で紹介する試みです。1つは、スケールをあわせてつくられた模型によるインスタレーション展示です。1:20、1:100、1:500という解像度の異なる3つのスケールに統一され、垂直に吊られた模型群が、空間、環境、都市を比較するだけでなく、住宅のあり方そのものを問う視点を見るものに与えてくれるはずです。それら加えて、本展のために制作された短辺映像作品が上映されます。映像では、動かない物理空間として建築の内部や周辺における、人や動植物、自然現象に目線を向けることで、竣工写真にあらわすことのできない、暮らしの風景が映し出されます。
模型と映像が折り重なる空間の中で、日本の住まいの風景が「いま、そこに」感じられるメディアとして再現されることを期待しています。」
 
展覧会:いま、そこにある、住まいの風景(There and Now The Japanese Housing Scene)
会期:2017年4月13日(木)-4月19日(水)
会場:ASJ UMEDA CELL(大阪・梅田阪急ビル オフィスタワー24F)
主催:一般社団法人日本建築設計学会
出展者:小引寛也+石川典貴《南阿佐ヶ谷の家》山口陽登+楯列哲也+杉浦良和《神田淡路町の家》松岡聡+田村裕希《裏庭の家》森田一弥《Pentagonal-house》遠藤秀平《RooftectureOT2》竹口健太郎+山本麻子《SKYHOLE》光嶋裕介《旅人庵》可児公一+植美雪《SOJA-O》鈴木亜生《SHIRASU》芦澤竜一《風の間》
写真:大竹央祐
キュレーター・映像:西尾圭悟
会場構成:Louie Hamilton
プロデューサー:遠藤秀平
スペシャル・アドバイザー:五十嵐太郎
展示写真:藤井浩司/ナカサアンドパートナーズ